皆さん「トゲクリガニ」というカニをご存知でしょうか?
主に青森、北海道で食べられているカニで、高級食材「毛ガニ」と同じクリガニ科に属する一種。
甲長8センチ程のカニで見た目も毛ガニによく似ていますが、毛ガニに比べ価格がとても安く、それにもかかわらず美味しいコスパが非常に良いカニです。
春の桜の時期に旬を迎えることから青森では「花見ガニ」「桜ガニ」とも呼ばれているそうです。
主に地元で消費されることが多く、東京には出回ることが少ない、桜が咲く春の時期だけ楽しむことができる希少な「トゲクリガニ 」。
お値段は大きなサイズでも一匹1,000円以下、中くらいのサイズでは2〜3匹で1,000円程度と毛蟹と比べると半額から3分の1程度とかなりお手軽価格です。
見た目は毛ガニに似ていますが、少し小ぶりで、甲羅の形も三角に近い形で毛ガニの四角っぽい形とは異なります。
↓中位のサイズのメスのトゲクリガニ
トゲクリガニの分類
トゲクリガニの分類は
十脚目>短尾下目>クリガニ科>トゲクリガニ属
お正月の定番の高級ガニである毛蟹は
十脚目>短尾下目>クリガニ科>ケガニ属
ということで、どちらのカニも同じ「クリガニ科」なのでかなり近い親戚。
味に関しても毛蟹に似ているということが想像できます。
トゲクリガニとクリガニの違いについて
非常に紛らわしいのですが、クリガニ属には2種類のカニがいて、今回ご紹介の「トゲクリガニ」の他、「クリガニ」というカニがいます。
- 十脚目>短尾下目>クリガニ科>クリガニ属>トゲクリガニ
- 十脚目>短尾下目>クリガニ科>クリガニ属>クリガニ
同じクリガニ属に属する両カニの見分けかたは非常に難しく、頭のトゲで見分けるらしいのですが、筆者は判別不能です。
簡単に見分けるには、青森産の黒っぽいのが「トゲクリガニ」、北海道産の赤っぽいのが「クリガニ」とするのが良いらしいです。
トゲクリガニ の購入方法・選び方と調理方法について
「トゲクリガニ」は都内では普通のスーパーではあまり見かけませんが、少し魚介に強いスーパーでは3月〜4月頃になると見かけることがあります。
また魚介専門店では春になると見かけることが多いので、流通量は多めのそれほどレアな蟹ではありません。
ただどうしても店頭で購入できない場合にはネットの通信販売でも購入が可能です。
価格:5,980円 |
(4月25〜26日頃より入荷後、順次発送予定)春の味覚!青森産トゲクリガニ【超特大サイズ】:メス3杯 価格:4,500円 |
価格:6,458円 |
トゲクリガニの選び方
- ずっしりと重いもの
- 色が濃いもの
- 体の厚みがあるもの
がポイントになります。
下の写真のメスのトゲクリガニは重量があり、体の厚みも十分。蟹味噌、身の入りも十分の極上個体でした。
オス・メスの違いについて
オス、メスの違として、メスは内子が入っているので蟹味噌と内子の両方の味を楽しむことができるので、人気があり価格はオスよりも高めに設定されていることが多いです。
それに対してオスは体が大きく、足が長いのが特徴で、大きな個体でもメスと同じ価格で売られていることがあり、カニの身を沢山楽しむことができます。
内子を楽しむのであればメス、量を沢山食べたいのであればオスになるかと思います。
オス・メスの見分け方はお腹の袴の広さを見ます。
メスはオスよりも袴が広く、三角形の角度が鈍角なります。
トゲクリガニ の調理方法について
料理方法ですが、まず水に塩を入れて濃いめの海水を作ります。1リットルに対して30g程度です。
塩水にすることで、身の旨味が水に溶け出さないようにする効果があるそうです。
カニの甲羅を下にして、蟹味噌が抜け出さない様にし、水から茹でていきます。沸騰してから10〜15分程度で茹で上がりです。
茹で上がったトゲクリガニは「栗」の様なとても香ばしい良い香りがして食欲をそそります。
トゲクリガニ の食べ方
茹で上がったトゲクリガニは袴を外し、甲羅を剥がします。
胴体の横についているエラは食べられませんので外します。
その後、胴体から脚を切り離して、脚、胴体の部分を食べやすい様に切り分けて完成です。
中くらいのサイズのトゲクリガニを上手にほぐすと下の写真、小皿に一杯くらいの身が取れます。
トゲクリガニ の身の味
トゲクリガニのカニの身は柔らかい上品な繊維質でほんのりとした甘味があり、とても淡白。
良質なトゲクリガニの個体は毛蟹に匹敵する美味しさです。
下の写真は3匹分の身。小皿に山盛りとなります。
こうなるともう一人で一回では食べきれない量になります。
トゲクリガニの蟹味噌の味
ずっしりとしたトゲクリガニを選ぶと蟹味噌の量も相当入っています。
甲羅にびっしりと詰まった蟹味噌はクリーミーなコクと甘み、程よい苦味の割合がよく、毛蟹の蟹味噌にも劣らない味で非常に美味。
安いのにたっぷりの蟹味噌を楽しめる、蟹味噌好きにはたまらないカニです。
”当たり”のトゲクリガニの蟹味噌は本当に絶品・極上の味。
あまりの美味しさに蟹味噌をつまみに涙をこぼしながら日本酒をヤルことになります。
※蟹味噌に関しては水っぽくてコクがない、正直”期待外れ”の個体に出会うこともしばしばあります。
ただし、毛蟹と違いお値段は比較的リーズナブルなので、沢山食べていけば自然と美味しいトゲクリガニを選べる様になると思います。
おしまいに
安くて絶品、蟹味噌もカニの身も楽しめるカニ好きにはたまらない「トゲクリガニ」。
春になるとお店に出回る様になりますので、見かけた際には即買いをお勧めしますが、個体によって身の入りや蟹味噌の量にかなり違いがありますので良質な個体を上手に見分けるのが美味しくクリガニを楽しむポイントとなります。
おまけ
トゲクリガニの身を「タカアシガニ」の蟹味噌に和えて食べてみましたがこれが超絶品。
あまりの美味しさに言葉を失うとはまさにこのこと。。
個人的には蟹味噌はこの世の中存在する最高に美味しい食べ物の一つだと思っています。
淡白なカニの身に強い苦味のタカアシガニの蟹味噌のバランスが絶妙。
カニの身を100倍美味しくする魔法の「タカアシガニの蟹味噌」。ヤバイです。
クリガニのお値段とレビュー
メニューとお値段 | 中くらいのトゲクリガニ3匹(メス)1,000円(税込) | |
コスパ | ||
味 | ||
レア度 | ||
オススメ度 |