【アナジャコ(アマジャク)】シャコに似てるけど別の生き物「アナジャコ」はどんな味?”唐揚げ・素揚げ・塩茹で”で料理して食べてみた

「アナジャコ」は日本各地の汽水域の干潟に生息地している10cmほどの体長の「シャコ」に似た生き物です。

和名は「アナジャコ」ですが、地方によっては「アマジャク」、「マジャク」などと呼ばれています。

東京では江戸川の干潟で春から初夏にかけて泥に開いた小さなアナジャコの巣の穴に「筆」を差し込んでで釣ることができる潮干狩りと同様の潮干のレジャーの一つとなっています。

シャコ同様に食べることが出来、濃厚なコクがある味はカニミソと柔らかなエビの身を一緒に食べているようで非常に美味となっています。

アナジャコの分類

名前に「シャコ」と付いてはいますがシャコとは遠い親戚で、姿は似ている様に見えますが、別の生物。

アナジャコは

  • エビ亜目>アナジャコ下目>アナジャコ上科>アナジャコ科>アナジャコ属

シャコは

  • トゲエビ亜綱口脚目(シャコ目)>シャコ上科>シャコ科>シャコ属

かなり早い「目」の部分で分岐しているので、例えるならば「牛(ウシ目)」と「馬(ウマ目)」くらい別な生き物です。

「アナジャコ(アマジャク)」
「アナジャコ(アマジャク)」
「ガサエビ(シャコ)」
「シャコ」

アナジャコ(アマジャク)の入手方法

「アナジャコ(アマジャク)」
「アナジャコ(アマジャク)」
「アナジャコ(アマジャク)」
「アナジャコ(アマジャク)」

冒頭で東京では江戸川で春から初夏にかけてアナジャコ釣りをすることができると紹介させていただきましたが、近年その数は減っている様で、筆者も以前、江戸川のある有名な場所に穴ジャコ釣りに行きましたが数時間で小さいのが一匹という散々な結果となった記憶があります。

都内ではスーパーでは見かけることはほぼありませんが、春になると魚介専門店でたまに見かけることがあります。

「吉池」
「吉池」

2022年春の時点では5匹でおおよそ700円程度と1匹100円オーバーの高級食材です。

アナジャコ(アマジャク)の調理方法・食べ方

「アナジャコ(アマジャク)」
「アナジャコ(アマジャク)」

アナジャコ(アマジャク)は殻が柔らかく、殻ごといただくことができます。

料理方法は主に、

  1. 素揚げ
  2. 唐揚げ
  3. 塩茹で

となります。

アナジャコ(アマジャク)の下処理

「アナジャコ(アマジャク)」
「アナジャコ(アマジャク)」

アナジャコ(アマジャク)は汽水域の泥の中に穴を掘って住んでいますので、食べる前にはしっかりと洗う必要がありますが、身体は非常に脆いので尻尾が取れたりしない様に丁寧に洗います。

お腹のヒダの部分は特に汚れていることがありますので、ここは取り除いてしまいます。

アナジャコ(アマジャク)
アナジャコ(アマジャク)

お腹のヒダを取り除いて綺麗に洗ったところで下準備完了です。

アナジャコ(アマジャク)
アナジャコ(アマジャク)

それでは、アナジャコ(アマジャク)の主な調理方法、塩茹で、素揚げ、唐揚げの3種類で料理をしてその味について感想を書いていきたいと思います。

アナジャコ(アマジャク)の唐揚げ

アナジャコ(アマジャク)唐揚げ
アナジャコ(アマジャク)唐揚げ

下処理をしたアナジャコ(アマジャク)に片栗粉をまぶして油で揚げた簡単な唐揚げです。

アナジャコ(アマジャク)唐揚げ
アナジャコ(アマジャク)唐揚げ

殻はとても柔らかく”ぷつっ”とした柔らかい殻の歯触りの後にくる”ふにっ”とした身の食感が他のエビ・カニと異なり新鮮です。

例えるならば脱皮したてのカニやエビを料理に使う「ソフトシェルクラブ」や「ソフトシェルシュリンプ」の様。

身は水分が多く、ジューシーな食感で、甲殻類特有の旨味が口の中に広がります。

味としてはエビとカニの両方の風味を持ちながら、どちらかというとエビに近い印象です。

「アナジャコ(アマジャク)の唐揚げ」かなり美味しいです。

アナジャコ(アマジャク)の素揚げ

アナジャコ(アマジャク)素揚げ
アナジャコ(アマジャク)素揚げ

続いては油で揚げた後に塩を振っただけの「アナジャコ(アマジャク)素揚げ」です。

唐揚げ同様にパリッと揚げた柔らかい殻の食感と水分の多いジューシーな身のハーモニーが楽しめます。

素揚げの方が唐揚げよりは素材の味をダイレクトに感じられます。

こちらも唐揚げに劣らず美味しいです。

アナジャコ(アマジャク)の塩茹で

アナジャコ(アマジャク)塩茹で
アナジャコ(アマジャク)塩茹で

最後はアナジャコ(アマジャク)を塩茹ででいただきます。

鍋にお水、調理酒と塩を加えて、アナジャコの全体が赤くなるまでしっかりと茹でていきます。

アナジャコ(アマジャク)塩茹で
アナジャコ(アマジャク)塩茹で

茹でるだけということで、どんな仕上がりになるのか疑問でしたが、食べてみたところ食感は柔らかく、甲殻類とは思えない歯触りです。

アナジャコ(アマジャク)塩茹で
アナジャコ(アマジャク)塩茹で

噛むと口の中に濃厚な旨味を感じるのですが、少し臭みが残っていた印象です。

こういった食材にあまり慣れない人は少し苦手に感じるかもしれません。

塩茹ではどこか既視感のある味がするかと思ったのですが、思い出してみたら”荒川で釣って食べた泥ぬきをしないテナガエビ”でした。

テナガエビもアナジャコも同じ汽水域に住む生物なので河と泥の匂いがするのかもしれません。

おしまいに

今回は唐揚げ、素揚げ、塩茹での3つの調理方法で食べてみましたが、個人的には「唐揚げ」が一番美味しかったです。

柔らかな殻の食感に濃厚なカニ・エビの味噌の甘みが凝集された様な味。

唯一無二と言ってもいいほどの味と食感は蟹味噌や海老味噌の濃厚な味が好きな人にはクセになること間違いなしです。

 

ちなみに、塩茹ではかなりダイレクトに食材の味が感じられるので、下処理や鮮度が重要なのかもしれません。

美味しい塩茹でを食べたらまた印象が変わるかもしれませんが、個人的には”唐揚げ”か”素揚げ”はまた食べたいと思える味でした。

なかなか見つけることができない上に、少々高価なアナジャコ(アマジャク)エビ・カニ類が好きな方はきっと美味しいと思える味ですのでもし見かけた際にはぜひチャレンジしてみてください!

本文中で紹介のメニューとお値段

 

メニューとお値段

アナジャコ 五匹(119g) 690円(税込746円)

※100gあたり 580円

唐揚げ
素揚げ
塩茹で
コスパ
レア度
オススメ度
2022年4月現在