2020年5月。コロナという病気の影響で、人が集まって何かを楽しむということが出来なくなるという環境の中、屋外で楽しめ、蜜にもならず、そして会話もしない趣味として人気となっていた「釣り」を始めてみることにしました。
ネットで調べてみると、近くの「荒川」では釣り初心者でも楽しめ、また釣った後にはビールのおつまみにもなる「テナガエビ」が釣れるということで早速道具を揃えてチャレンジをすることに。
このブログは全くの”ど素人”が1シーズンで満足がいく釣果を出せるようになった軌跡を綴ったものになります。
結果を先に言いますと、筆者は全くの初心者でしたが、数回の経験で1回で10匹以上は釣れる位に成ることが出来ました。
この記事を書いたのが2020年8月後半。
2020年6月〜8月までの週末「計8回」荒川でテナガエビ釣り初めての初心者がいかに釣れるようになったかの記録になります。
【追記】
2022年の釣果報告も随時アップしていますので、こちらの記事もどうぞ!↓
2022年のテナガエビ釣りの釣果報告 2022年5月、テナガエビ釣りのシーズンがやってきました。 2020年、2021年に引き続き、こちらでテナガエビ釣の釣果について報告していきたいと思います。 もし初めてこの記事をご覧になっ[…]
2021年の釣果報告になりますので、こちらの記事もどうぞ!↓
2021年のテナガエビ釣りの釣果報告 昨年に引き続き、この時期の趣味として2021年もテナガエビ釣りをやっていきます。 こちらでは釣果について報告していきたいと思います。 もし初めてこの記事をご覧になった方は下の記事をご覧くだ[…]
テナガエビ釣りに必要な道具と費用
テナガエビ釣りには高価な道具も難しい操作が必要なリールも一切ありません。
↓位の簡単な用具があればOKです。
- 「手延べざお」約1,000円
- 「仕掛け」約300円×2つ
- 「予備の針」2セット約150円×2つ
釣具屋さんに行けば大体揃えられると思います。
手元に全く釣り用具が無くても、合計約2,000円で一セット揃えることができました。
釣竿の長さについて
テナガエビを釣る”手延べ竿”の長さは1m程度のものから3m以上のものまで様々ありますが、荒川で釣るのであれば取り回しの効く短いものが便利です。
荒川のいろいろなポイントで釣りをしてみた経験から、足元や少し先に餌を落とすことが多かったので荒川では1メートル前後のもので良いと思います。
釣りデビューの時は1メートル前後の竿1本あれば十分かと思いますが、慣れてきたら1.5メートル位の遠目を狙える竿を1本増やして2本用意するといろいろなポイントが狙えますので釣りの幅が広がります。
針のサイズについて
テナガエビ用の針はサイズが1号とか2号とか何種類かあります。
正直あまり気にせず使っていましたがどのサイズでも問題なくよく釣れました。
小さいサイズの針の方が当然小さいエビも釣れますので、釣りが初めてで、取り敢えず数を沢山釣りたいということであれば小さい1号でも良いかと思います。
テナガエビ釣りのシーズンについて
一般的にテナガエビ釣りのシーズンは5月〜8月あたり。ピークは6月〜7月の梅雨時と言われています。
6月〜8月まで通った経験を元にした体感ですと6月末、初めて釣りに行った時にはオスもメスもサイズが小さめでしたが、7月中旬から末にかけてサイズが大きくなりました。
20センチオーバーの大きなオスがよく釣れるようになったのもこの時期からです。
一般的にテナガエビのシーズンは梅雨時期の6−7月といわれていますが、8月でも大きめのオスがちらほらと釣れました。
ただ、8月に入ると日差しが猛烈に強く、午後2時位の直射日光下では生命の危機を感じる様な暑さとなります。
釣れなくはないですが、環境が過酷なので、日中は長時間の釣りにはむきませんでした。
またシーズン中盤から後半になってくると釣れるメスがほぼ抱卵してくる様になります。
卵を抱いたメスは持ち帰らずに、来年もまた釣りが楽しめる様にそっと針を外して全てリリースをしました。
テナガエビ釣りのベストな時間帯・天候
毎回、朝の9時頃から午後3時〜5時頃で釣りをしました。
結果として一番釣れるのが9時〜12時の午前中。
昼過ぎになるとアタリが少なくなり、午後3時あたりにまた少しアタリが増え出すと言う具合でした。
ちなみに朝が一番大きいサイズのオスがかかり、時間と共にサイズが小さくなり、メスの割合が増えていきます。そして午後になるとまたオスがかかり出すが午前ほどでは無い。と言う印象でした。
テナガエビは夜行性なので夜の釣果も良いという記事がありましたが、今回は夜釣りはしなかったので、比較ができませんでした。
また天候については2020年はほとんどが好天での釣りで、雨の中の釣りが無かったので晴れと雨でどちらが良いのかの考察はできませんでした。
ただ、前日に雨が降って、泥水の様なとても濁った水での釣りもありましたが、結果釣れました。ただ、普段の時よりはアタリが弱かったと思います。
テナガエビ釣りに持っていくもの
必ず必要なものは、竿、仕掛け、針と餌。
釣ったエビを持ち帰るのであればエビを入れるクーラーボックスの様な容器。
あれば便利なのがピンセットと釣ったエビを入れた容器に酸素を提供するポータブルタイプのエアレーション。
私は、魚などを入れる様な発泡スチロールの箱をもらってきて利用しました。あとエアレーションは買わずに、手間ですが、定期的に水を交換して対応しました。
実際釣りの途中や運搬途中(約1時間)でエビが死ぬということもなかったのでエアレーションはなくて大丈夫でした。
ただ、できれば持っていって欲しいのがピンセット。エビの口から針を外す際、ピンセットがあると無しでは天地程の差があります。
理由1
浅くかかっている時は手で取れますが、深くかかっていると、針の角度を変えながらそっと引き抜く必要があります。
手で乱暴に引っ張るとエビの口を傷つけてしまって、すぐに死んでしまいます。
荒川のテナガエビは食べる場合は泥抜きした方がいいので、活かしたまま家に持っていき、数日泥ぬきをするためにできるだけ元気なまま家に持ち帰る必要があります。
初めの頃はうまく針が外せずにエビの口を傷つけてしまって、釣りの最中に死んでしまうことがありましたが、後半は針が深くかかってもピンセットでそっと外してほぼ全てのエビを家まで活かしたまま持って帰ることができました。
理由2
オスのテナガエビの針を外すとき、手で外そうとするとほぼ必ず大きなハサミで手を挟まれます。
そして結構痛いです。
挟まれた後に手を振り回すとエビのハサミがもげてしまいます。別に自分の手が痛かろうが、エビのハサミがもげようがそんなの気にしないというのであればいいのですが、エビの背中を掴んで、ハサミの攻撃範囲外からピンセットで安全に針を取れるのであればそれに越したことはありません。
テナガエビ釣りの仕掛けと釣り方
テナガエビ釣りの仕掛け
テナガエビ釣りの仕掛けはとっても簡単。リールなどの器具は使わないし、最初から出来上がった仕掛けが300円程度で売られていますので、それを買ってくれば釣りが全く初心者や子供でもすぐに始めることができます。
竿は安いものだと1,000円程度で売っている手延べ竿で十分です。セッティングは竿の先にセットになった仕掛けをつけるだけ。
準備はたったこれだけです。
テナガエビ釣りは根がかりを良く起こすので、替の針は多めに持っていくことと、ハリス留めを使って針はすぐに変えられる様にすると便利です。
テナガエビの釣り方
釣り方はウキの動きをみて釣り上げる「ウキ釣り」と、アタリの感覚を頼りに釣り上げる「ミャク釣り」があります。
釣り方は仕掛けのセットの裏表紙なんかに詳しく書いてあるのでそちらを見れば大丈夫です。
両方試してみましたが、個人的にはミャク釣りの方が面白く、後半はほとんどミャク釣りをしていました。
ミャク釣りの方法
エビは普段岩の下等の身を隠せる場所に潜んでいます。なので、餌は岩と岩の隙間の周りと比べて暗い穴になっている様なところへ狙って落としていきます。
エビは餌を発見するとハサミで挟んで自分の身を隠せるところまで持っていき、その後に食べ始めます。
なので餌を入れて少し待つと「ククッ」とエビが餌を運ぶ感触が感じられます。その時に上げてしまうとエビが餌を食べる前に逃げられてしまうので、感触が感じられてからエビが餌を食べるまでの10数秒程度待ってから竿を上げます。
付けている餌の種類によってこの辺りの時間は変わってきます。慣れてくれば体感でわかる様になりますのでとりあえず「習うより慣れろ」だと思います。
この辺りの感覚はやっているとすぐに覚えられるので全く初めてでも大丈夫です。
ウキ釣りの方法
ウキ釣りの場合も一緒で、エビが餌を運び始めるとウキが動き始めます。ウキの動きが止まったところで餌を食べ始めるので、その後に同じく10数秒程度待ってから竿をあげるとエビがかかります。
いづれにしても正直、特に難しく考える必要はありません。実際にやってみればすぐに覚えられますのでおおよその釣り方を理解して、あとは糸を垂らしてみれば意外と簡単に釣れるものです。
テナガエビ釣りの餌
餌はネットで調べてみたところ、虫系の「アカムシ」「サシ」が良いと書いてありました。
虫計以外であれば、魚肉ソーセージ、しらす干し、カニカマ、豚レバー等で釣ることができると書いてありました。
番外編として釣った後で死んでしまったテナガエビを餌にするという方法もある様です。
今回実際に試してみたのはアカムシ、魚肉ソーセージ、しらす干し、カニカマ、豚レバー、ボイルホタテ、イカ、死んだテナガエビの身です。
結論から言うとベストな餌はアカムシの一択です。
ダントツでアタリが良い上にフッキングのタイミングが取りやすかったです。
アカムシは釣具店で購入が可能で、一塊で大体200円から300円くらいです。
一塊り買うと、2〜3人で一日中釣りが楽しめます。
一人だと半分くらいしか使わないので大抵余ります。新聞紙に包んで湿らせて冷蔵庫で保存をすると1週間くらいは持ちますが、このビジュアルのものを冷蔵庫に入れるというのは既婚者は家族の理解が得られない様な気もします。。
アカムシ以外ではカニカマが一番アタリがよくフッキングがしやすかったです。
虫を触れない場合はカニカマで代用すれば良いと思いますが、ただカニカマは裂けやすいため、すぐ餌が針から外れてしまいます。餌を付け替える手間はアカムシよりもかかります。
良い点としてはコンビニやスーパー100円程度で買えるという入手のしやすさとコスパの良さ。実際カニカマは2〜3本もあれば十分で、残りのカニカマをつまみにビールを飲みながら釣りをすることも出来ます。(車の方はアルコールはダメです)
また、水深が浅いところではカニカマは白く、上から見えるので実際にテナガエビが食いつく瞬間が目視できるという利点もありました。
カニカマの次に釣りやすかったのが「ボイルホタテ」です。
使うのは貝柱の部分。細く縦に裂けるのでカニカマの様に丁度い大きさで針にかけることができます。ただ、少々高価なのでコスパを考えるとカニカマの方に軍配が上がります。(余った時のビールのつまみとしては個人的にはボイルホタテが最強です)
「しらす干し」はアタリは来ますが、すぐ餌がバレてしまい、引き上げるたびに餌をつける必要がありました。
また食べるのに少し時間がかかる様で、アタリがあってからフッキングさせるまでのタイミングが取り辛い印象があります。
飼育下でも、しらすは水槽に入れると反応して口に運びますが、ちょっとかじって途中で捨ててしまうことも多くありました。
豚レバー、イカ、死んだエビの身等試した他のエサもアタリは来ますが、フッキングのタイミングが難しく、釣り上げるまでが大変でした。
おそらくですが、餌の塊を大きくつけすぎて、エビが食べるタイミングが取りづらかったせいではないかと思います。
アカムシサイズに小さく切って試したらもしかしたら別な結果が出たかもしれません。
テナガエビの生態を観察するために、釣ってきたエビを数匹しばらく飼育していましたが、やはり総じてアカムシが好きな様です。しかもアカムシは1匹を完食する時間が圧倒的に早く、アタリが来てから針が口にかかるまでの時間が短いのでミャク釣りでのタイミングが取りやすいと思います。
ただ、アカムシはそのまま与てもしばらく反応が無く、ハサミや足に触れた時に反応を示していたのですが、ちぎってあげると水に入れた瞬間にアカムシに向かっていき、自ら捕まえて食べていました。
アカムシを針に付けたときに飛び出るあの赤い液体に反応しているのだと思います。
この反応を見る限り、実際に釣りをする際も、アカムシが古くなったらすぐに交換した方が良いというのがわかりました。
飼育している時にテナガエビがアカムシを食べるシーンを動画に撮りました。
実際に釣りをしている時もテナガエビがどの様にアカムシを食べているのかをイメージしながら釣るとフッキングさせるイメージが分かりやすくて良いと思います。
テナガエビのアカムシ捕食シーン(音声やBGMはありません※少し雑音が入ります)
飼育下でも上記の他にザリガニの餌や魚の切り身等いろいろな餌を与えてみましたが、やはり一番好きなのは「アカムシ」の様です。
アカムシのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
アタリがよい | 釣具店で購入が必要 |
フッキングのタイミングが取りやすい | 日持ちしないので、釣りの直前に準備が必要 |
針持ちがよい | 少々グロテスクなルックス |
カニカマのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
食材系の餌の中ではアタリがよい | エサばれしやすい |
どこでも買えて安い | 引っ張ると縦に裂けるので針に付け難い |
余ったらビールのつまみにできる | アカムシに比べるとアピール力が弱い |
餌の付け方
アカムシは写真の様に頭の少し黒い部分を針にチョンとかけるだけ。
カニカマもアカムシサイズに細長く切、アカムシの様にちょん掛けをします。あまり大きく切すぎると、食べるのに時間がかかり、アタリが来てから針がかかるまでのタイミングが測りづらいです。
他のエサについても同様にあまり大きい塊にしすぎる吊り上げるタイミングが測りづらいので、出来るだけ小さくしてあげると良いと思います。
荒川でのテナガエビの釣りポイント
「旧岩淵水門」
ネットで多くヒットするのが「旧岩淵水門」のポイント。JR赤羽橋駅から徒歩約20分。
東京メトロ東西線の「赤羽岩淵駅」からは徒歩約10分とアクセスもそれほど悪く無いです。
きれいに整備されていて、足場も悪くはないので休日は家族連れが多いです。
数名でワイワイと騒ぎながら釣りを楽しんでいる若い人も見受けられます。
その為釣り人の密度も高く少しプレッシャーがあります。
ポイントは水門を渡った先の小島か水門手前の岩場地点。
島の西側ポイントは家族連れが多く、また釣り人も多いのです。
島の東側ポイントは足場が悪いので比較的人が少なく、玄人っぽい人が多いです。
個人的には東側の方がよく釣れる様に感じます。
赤羽、赤羽岩淵から歩いていけるところに滝本釣具店があります。朝10時からの開店なので当日、餌や針を仕入れることもできます。
堀切橋周辺
もう1つは荒川沿いをGoogle Mapで調べて石がゴロゴロしていてそうな場所を見つけ、何の事前情報もなく行ってみた「堀切橋」
京成本線の「堀切菖蒲園」から歩いて約10分、東武伊勢崎線の「堀切駅」から徒歩約15分とこちらもアクセセスは便利です。
近くに野球場の練習場や公園があり、駐車場、トイレ、水飲み場があります。スカイツリーを望む景色が良い場所です。
ただ、印象としては足場があまり良くなく、家族連れには向かないと思います。
実際に釣りをしている人の多くは年配の男性。みるからにプロのオーラを出している人たちが多いです。おそらくこのポイントに通い詰めている大ベテランの方々かと思われます。
家族連れや若い人はほぼ皆無。(釣りではなく、カニを採ったりして遊んでいる家族はたまにいます。)
旧岩淵水門とは全く釣り人層が異なります。ただ、人は少なめなのでのんびりと釣りを楽しむことができます。
ポイントは綾瀬川側の高速道路の下あたりです。
堀切は近くに釣具屋さんがあり、アカムシが現地調達できるので便利です。
人生最初の1匹のテナガエビを釣り上げるまで
2020年6月上旬、全くのズブの素人がネットの情報を頼りに道具を揃え、ポイントを決め、仕事が無かった平日の午後に旧岩淵水門へ向かいました。
到着すると、平日の午後なので、釣り人は水門を渡った島のあたり2〜3人。にこちらは全くの素人なので、モタモタしている姿を見せたくないので、水門手前の岩場に他の釣り人から距離をとって始めることにしました。
途中のコンビニで買ったカニカマを針につけて岩の隙間に垂らします。
1分もしないうちに何か竿先に手応えがあり、少し待ってから上げようとするとビクビクッという小気味良い引き。
上げてみると15センチ程のオスのテナガエビがかかっていました。
意外と呆気ないほどに人生初のテナガエビ釣りが成功。とても嬉しかったのを覚えています。
釣りをしている最中、近所に住んでいるらしい年配の男性の方から
「釣れてる?」
と声をかけられ、
「初めてですが、何匹か釣れました。」
と答えると
「お〜そうか!頑張ってね」
との励まし。
「あっちの島の方は大きいのが結構釣れてるみたいだよ」
と教えてくれました。
結局、今釣れている手前のポイントで移動せず、手前の岩場で釣り続け、初めてのこの日は2〜3時間で5匹程度の釣果がありました。
その後は餌や時間、ポイント、釣り方を試行錯誤して2ヶ月後には数時間の釣りで20匹前後が釣れるくらいには上達しました。
おしまいに
釣りの経験がなくても誰でも簡単に楽しめる「テナガエビ釣り」。
2020年初めてチャレンジしてみましたが、簡単に数が釣れ、結構強い引きにすっかりハマってしまいました。
高価な道具も必要なく、アウトドアで健康的に楽しめる「テナガエビ釣り」。
もし興味がある方は是非トライしてみてください!
実際に釣り上げたテナガエビを料理してどんな味がするのか食べてみた記事もありますのでよろしければそちらもご覧ください!