御徒町のメリークリスマス
2021年12月クリスマス。
コロナは若干の落ち着きを見せ、外食でのアルコール提供も許可されましたが、「オミクロン株」という感染力が高い新型が流行し始め、年末に向け再び世間には若干の緊張感が出てきたように感じられます。
今年こそはサンタさんがいるお店に飲みに行こうと思っていたのですが、オミクロンにかかってしまっては良いお正月を過ごせなくなってしまいますので、今年もグッと我慢することにしました。
そういえば昨年はコロナの真っ只中で、飲みに行くという選択肢は全くなかった為「蒙古タンメン中本」にて「北極」という劇・劇・劇辛ラーメンを食べてクリスマスを過ごしたことを思い出しました。
筆者の呑み仲間達はクリスマスは忙しいらしく、誰も付き合ってくれませんので今年も一人で「蒙古タンメン中本」御徒町店へと向かいました。
街はすっかりクリスマスモード。
長いコロナの影響で暗いニュースが多い中ですが、クリスマスのこの日は心なしか街ゆく人の表情も明るい様に見えます。
御徒町南口の駅を出てすぐのケーキ屋さんにはこれから家で御馳走を楽しむであろう人々の長い長い行列ができています。
そんな風景を横目に一人足早に蒙古タンメン中本へ急ぎます。
クリスマスの蒙古タンメン中本
到着すると「蒙古タンメン中本」にもケーキ店ほどではありませんが行列ができています。(上の外観写真は別な日のものです。)
そこにあるいつもと変わらない風景。
「クリスマスなのに」。
皆さんチキンよりもケーキよりも中本が好きな仲間達です。
折角のクリスマス、去年と同じ北極じゃ芸がないと、この一年の己の成長を確かめるべく「北極2倍」にチャレンジすることにしました。
昨年はあまりの辛さ(カラサ)に「もう二度と食べない」と誓った北極。
でも、人は一年も経つと過去の辛い(ツライ)ことをすっかりと忘れて、何故かまたチャレンジをしたくなってしまうものです。
歳をとるといろいろ忘れっぽくなってしまいますが、感性を放棄して本能に従ってみる、「それが大人の特権だ」とどこかの偉い方も言っていたので去年の不食の誓いは忘れて今年もまた北極を食べたいと思います。
ちなみに、裏メニューである「○倍」を頼むときは「北極」の食券を購入して、口頭で何倍にするのかをオーダーします。
北極2倍とご対面
「北極2倍 850円」。
相変わらずの凶悪なまでの赤さ。
辛さを売りにしているラーメンは多くあれど、ここまで鮮烈なビジュアルのラーメンは中本くらいです。
去年、北極を食べたのである程度の辛さは想像できています。
スープは去年食べた北極よりも粘性が高く、ドロドロしている気がします。
ですが、北極を一度完食したという自信で去年の様なドキドキはなく、落ち着いて一口スープを口に含みます。
一口から来る突き刺す様な辛さ。
爆発力があります。
辛い食べ物マイスターになると、デフォルトの北極と北極2倍はほとんどレベルが変わらないと感じる人もいる様ですが、一般人の筆者の個人的な感覚では「北極」のデフォルトよりも確実に辛さの度合いが上がっています。
辛いラーメンは徐々に来るものと一口目から来るものがありますが、北極は一口目からガツンとした重たい辛さが舌と脳に到達します。
北極2倍は完全に麺を「すすって食べる」ことはできなくなります。
丼から”ムワッ”と上がってくる辛さの刺激で物理的に麺をすすれないのと、もしすすって食べて器官に辛さが伝わるとむせてしまうからです。
「北極」の場合はまだ麺をすすって食べるという選択肢もあったのですが、2倍にはその選択肢はありません。
麺を全てレンゲに移して、フーフーして熱を完全にとって食べ進めていきました。
食べ進めていき、3分の1程になると口の中の感覚剥き出し状態になります。
麺でも豚肉でもとにかく口の中に入ってきたものが”痛い”という感覚に襲われます。
口に含んだ食材は留めておく時間を少しでも短縮しようと、一口、二口だけ噛んでゴロゴロと飲み込んで胃のなかに押し込んでいきます。
こんなに辛いものを押し込んで胃のなかは大丈夫だろうか?と心配になりますが、とりあえず今は口の中の方をなんとかする必要があります。
辛くて辛い。
一向に麺が進みません。
涙は出てくるし、汗は吹き出してくるしで麺を持ち上げる手が震えます。
最初は水を飲まずに食べ進めていましたが、この辺りから水で口内を冷やしたり、麺を流し込んだりと一気に水の消費量が増え始めます。
北極と北極2倍は全く別物の代物です。
丼の中に汗がポタポタたと落ちますが、気にしている余裕はありません。
自分では、「結構食べたのでは?」という実感はあるのですが、まだ麺はそこそこ残っています。
残りの量を見て蒙古タンメンで初めての「ギブアップ」が脳裏をよぎります。
・・ですが日本男児たるものせっかく作って頂いた食べ物を残すことはできません。
ここからはハリウッド映画「ロッキー」のBGMを脳内で再生して、汗と涙を流しながら完食を目指します。
そしてついに最後の一口。
やっとで完食!
達成感ハンパないです。
盛り上がったティッシュの屑とシャツに飛び散った赤いスープが激戦を物語っています。
(最後にティッシュは自分でゴミ箱へ、食後に予定等がある場合等は備え付けの紙エプロンを。)
満腹のお腹で前屈みになりながらの帰り道、肺の中から吐き出てくる息はいつもより少し唐辛子とニンニクの刺激を帯びていて、マスクの中で滞留し唇をヒリヒリと刺激します。
1日も早く、蒙古タンメンを食べた帰り道にマスクをしなくても良い日々が戻っできますように。
おしまいに
通常の北極を食べたときは「ギブアップ」ということは全く考えなかったですし、麺を食べた後は最後にスープを飲む余裕もありました。
ただ、2倍はスープを飲もうとは微塵も思わず、とにかく麺の完食を目指すのに必死でした。
「北極2倍」。かなりの辛さです。
今までのラーメンライフの中で一番辛いラーメンであることに間違いありません。
「また北極2倍が食べたいかといえば答えはNOですね」。
完食までにかかった時間 | 17分 |
飲んだ水の量 | グラス3杯 |
使ったティッシュの量 | 大人の握り拳1つ分程度 |