ガサエビ(トゲザコエビ)というエビはご存知でしょうか?
よっぽどのエビマニアでなければ解らないのも当然のとても珍しいエビです。
【エビジャコ科>クロザコエビ属】のエビで、和名は「トゲザコエビ」。
地域によっては「ガサエビ」、「ドロエビ」、「モサエビ」、「トゲクロザコエビ」とも呼ばれる、体長10cmほどのエビです。
(名前があまり美味しそうでないのもこのエビがあまり認知されていない原因かもしれません。)
日本海の深海だけに住むエビで、水揚げするとすぐに頭部が黒ずんできて見た目が悪いため、ほとんどが地元で消費され、市場には出回らない幻のエビです。
(頭部が黒ずんできても味にはあまり影響はないそうです。)
ちなみに下の写真の様に購入した時点で半分近くの海老の頭部は黒ずんでいるので、少し見た目は悪いですが食べることに関しては問題はありません。
旬の時期は秋から春まで。
4月に御徒町にある吉池を訪れた際にこの珍しい「ガサエビ(トゲザコエビ)」を発見したので初めて購入して食べてみました。
ガサエビ(トゲザコエビ)時期と入手方法・値段について
ガサエビ(トゲザコエビ)は日本海の底引き網で9月〜5月くらいまで水揚げがあります。
ちなみに水深300mまではまではトゲザコエビとよく似ている「クロザコエビ」がとれ、それよりも水深が深い場所ではこの記事で紹介の「トゲザコエビ」が取れるそうです。
都内ではスーパーではほぼ見かけません。
筆者よく御徒町の魚介専門店「吉池」には行きますが、それでもこの「トゲザコエビ」を見かけることはほとんどない非常に珍しいエビです。
値段はそれほど高くなく、1匹100円以下。普通に手が出る価格帯です。
また近所に魚介専門店がなく、どうしても食べてみたいという場合にはネットの通信販売でも購入が可能です。
【ふるさと納税】幻の逸品!とろける旨さのガサエビ(500g)とやまに厳選!特製しょうゆ 1本(200ml)セット 価格:10,000円 |
【福井から産地直送!】ガサエビ 500g 帰歳暮 お歳暮 お中元 敬老の日 敬老 父 母 お取り寄せ グルメ ギフト エビ えび 海老 刺身 塩焼き BBQ [冷凍] 価格:3,480円 |
価格:4,480円 |
価格:6,980円 |
ガサエビ(トゲザコエビ) 味と食べ方について
ガサエビ(トゲザコエビ)の食べ方は”刺身”、”塩焼き”が一般的で、小さいものは唐揚げとしても食べても美味しいそうです。
ガサエビ(トゲザコエビ)の刺身
まずはエビの味を一番よく堪能することができる刺身から。
殻は柔らかいですが、身との離れが悪く向くのに少し苦労しました。
頭部が黒ずんで見えるので少し見栄えは悪いですが、味は絶品です。
ねっとりと舌に絡みつく濃厚なコクのある味、かつ甘みの強さが感じられ、甘エビのプリッとした水分が多い身のエビとは別物の美味しさです。
ガサエビ(トゲザコエビ)の刺身丼
ネットで写真を見てから、どうしてもやってみたかったのが「ガサエビ(トゲザコエビ)」の刺身丼。
麺つゆで少し漬けたガサエビの刺身を、たっぷりとご飯の上に乗せ卵黄を乗せて出来上がりです。
エビの甘味と卵黄の濃厚なコンビネーションが想像を遥かに超える美味しさです。
エビの甘味、卵黄のコク、エビの刺身と玉子、ご飯と大葉だけの単純な組み合わせですが、全てが絶妙に絡み合い最高の味を組み立てています。
この丼、本当に絶品でした。毎日でも食べたい。
ガサエビ(トゲザコエビ)の塩焼き
ガサエビ(トゲザコエビ)に塩を振って、ロースターで塩焼きにします。
塩焼きにして火を通すことで旨味と甘みが引き立ちます。
ほろっとした歯応えで食感もよくなります。
刺身もうまいですが、塩焼きもなかなか。
ただ、個人的な意見ではありますが、焼きよりは刺身の方に軍配が上がりました。
ガサエビ(トゲザコエビ)の味噌汁
最後は定番の味噌汁。
刺身にした時に余った頭を出汁にした味噌汁です。
エビの出汁がよく出て旨味のある深い味の味噌汁ができます。
ガサエビと呼ばれるその他のエビについて
日本には「ガサエビ」と呼ばれるエビが他にもあります。
北海道・羅臼町特産の「ガサエビ」は、エビジャコ科キジンエビ属のエビで、25cm程にもなるエビジャコ科では世界最大級のエビです。
トゲザコエビ属とキジンエビ属の違いはありますが、どちらも同じエビジャコ科ということなので全体的なフォルムは少し似ている気がします。
昔から羅臼では「ガサエビ」として食用にされていた様ですが、2016年に新種として発表されニュースになりました。
北海道の釧路沖、根室海峡でしか発見されていないそうですので、名前は同じ「ガサエビ」ですが別の種類のエビということで間違いなさそうです。
先の紹介の「トゲザコエビ」とは一回り以上ある大きさです。
筆者は以前羅臼でこの「ガサエビ」の塩焼きを食べました。確か一匹300円程度。
身は非常に強い甘みがあり、しっとりしていてプリプリかつほろほろの歯触りは今までに経験したことがないものでした。
玉子は歯で噛むとビキビキとつぶれるユニークな食感が楽しめ、とても美味しいエビだったという記憶があります。
またいつか食べたいですが、東京から羅臼は流石に遠いです。でもいつかはきっと・・
ちなみに、羅臼へ行くのはどうしても難しいという場合は、こちらもネット通販で取り寄せが可能です。
【ふるさと納税】ダイオウキジンエビ(ガサエビ)とボタンエビのセット 北海道 海産物 魚介類 魚介 F21M-325 価格:30,000円 |
一方、青森では「ガサエビ」といえば「シャコ」のことを指すそうです。
お寿司のネタとして馴染み深いシャコですが、茹でて剥き身のものがスーパーで売られていたり、また調理前のものでも、ちょっと魚介に強いスーパーでは見かけることがある一般的によく知られた食材です。
シャコといえば少し繊維質が強いパサパサとした食感と淡い味を甘辛いタレでごまかしているイメージがあるかもしれませんが、新鮮なシャコの塩茹ではまったくの別物の美味しさです。
茹でたてのシャコは身の甘さと程よい塩加減、そして身のプリッとした歯触りは他の何にも例え難いもので、シャコの概念が変わる美味しさです。
おしまいに
貴重な「ガサエビ(トゲザコエビ)」ですが、お値段はそれほど極端に高くないので、もし店頭で見かけた際には買ってみて間違いない美味しいエビです。
特にお刺身が絶品で、よく食卓に上がるエビのお刺身、甘エビとは別の美味しさがあります。
今回ご紹介のメニューの中では特に「エビの刺身丼」がダントツに美味しかったです。
ガサエビの刺身丼はぜひまた食べたいので、またしばらく吉池へ通う日々が続きそうです。
本文中で紹介の品のお値段
お値段 |
ガサエビ(トゲザコエビ) |
ガサエビ(ダイオウキジンエビ)の塩焼き 一匹300円。 | |
レア度 | |
コスパ | |
オススメ度 |