花咲蟹(ハナサキガニ)とは
「花咲蟹」は北海道周辺の納沙布岬から襟裳岬付近の太平洋側、根室半島のオホーツク海側の20〜200m程度の浅い水域に生息する蟹です。
見た目はタラバガニのようですが、タラバガニよりは一回り程度小さく甲羅の幅は20cm程度、体にはびっしりと刺のような鋭い突起に覆われています。
見た目はカニのようですが、外に見えている足はハサミを含めて8本でタラバガニと同様、分類上はカニというよりはヤドカリの仲間です。(甲羅の中に2本隠れていますので実際は10本。)
タラバガニ同様に第五胸足は体の中に入っています。
袴の形はなぜか左右非対称となってますが、これはこの個体だけではなく、花咲ガニとしての特徴です。
腹側をまじまじと見ていると何故か映画「パイレーツオブカリビアン2」を思い出します。
花咲蟹(ハナサキガニ)の種別
十脚目>異尾下目>タラバガニ科>タラバガニ属>ハナサキガニ
先述の通り、「ハナサキガニ」はタラバガニの仲間「タラバガニ属」です。
タラバガニ属には「タラバガニ」「アブラガニ」そして「ハナサキガニ」の3種類が属しています。
「アブラガニ」はタラバガニよりも安く売られていて、味は「タラバガニ」と変わらないと言いますのでいつかは食べみたい蟹です。
花咲蟹(ハナサキガニ)の入手方法
時期としては4月〜9月頃にかけて主に北海道の根室と釧路に水揚げされ、漁獲量も多くなく北海道以外にはあまり出回らない珍しい蟹です。
以前から一度食べてみたいと思っていたカニですが、鮮魚の専門店でもなかなか見かけない珍しいカニでなかなかチャンスがありませんでした。
普通のスーパーではほぼ見かけることがなく、魚介に強い専門店であればタイミングが合えば稀に見かける程度。
都内の実店舗ではほとんど見かけませんが、「通信販売」や「ふるさと納税」であれば比較的簡単に購入することができます。
2021年の6月頃、魚介の専門店、御徒町の『吉池』に行ってみると、生の「花咲蟹」が1匹3,500円と手が出そうなお値段で売っていたので人生初の「花咲蟹」を食べてみることにしました。
今回購入した花咲蟹は甲羅の幅が一番広い部分で15cmほどの中型の個体。
卵を抱えているのでメスになります。
花咲蟹(ハナサキガニ)の調理方法
花咲ガニは塩茹でか、味噌汁に入れて食べる「鉄砲汁」が主な食べ方になります。
今回はシンプルに「塩茹で」でいただくことにしました。
茹でる前は全体的に小豆色っぽい体色をしています。
フォルムは完全に水中用のモビルアーマーですね。
全身を覆うスパイクが強そうでカッコいい。
鍋に水を入れ、塩を入れて塩水を作って約15〜20分程度茹でます。茹で上がったら粗熱をとっておしまいです。
茹で上がると小豆色っぽかった体色は鮮やかな真っ赤に変色。
こんなに鮮やかに赤くなるカニは見たことがなく、まさに「花咲蟹」の名前の通り赤い花が咲いたようです。
花咲蟹(ハナサキガニ)の味について
花咲蟹(ハナサキガニ)の蟹味噌
茹で上がった後にパカッと甲羅を開けてみると、なんとがっかり。蟹味噌がほとんど入っていません・・。
蟹味噌は蟹の脳味噌ではなく、蟹の膵臓や肝臓のような臓器、「中腸線」のことなのですが、ヤドカリの仲間はカニと異なり「中腸線」が期待出来ないと聞いたことがあります。
少ないながらも蟹味噌をテイスティングしてみますと、驚きの味。
蟹味噌は見た目は水っぽい感じがしますがとても濃厚で結構美味しいです。
花咲蟹(ハナサキガニ)の身
蟹味噌同様に身の方も水っぽく、少しスカスカしていますので”痩せガニ”に当たった可能性があります。
それでも少ない身を味わってみるとこちらも驚き味。
花咲ガニの身の味は非常に濃厚。そして繊細な甘みと独特の香りがあります。
タラバガニのような大味で”もこもこ”とした歯応えのある食感の身ではなく、ふんわりと香る甘みと匂いがとても上品な印象です。
花咲ガニ、蟹味噌も身もかなり美味しいカニです。
今回購入した花咲ガニは身の入りが少し悪かったですが、初めての味をかなり堪能できました。
今まで食べてきたカニの中でも味噌も身もトップクラスの美味しさです。
今年のうちになんとかチャンスを見つけてもう一回購入してみて別の個体の味も比較してみたいと思います。
花咲蟹(ハナサキガニ)に再チャレンジ
前回生まれて初めて花咲ガニを食べて、リベンジを誓ってから数週間、お手頃な価格の「ボイル花咲ガニ」を発見。
前回よりサイズはかなり小さくなりますが、1匹で700円と、前回の3,500円と比べるとかなり安い値段です。
早速購入して前回との比較をしてみたいと思います。
パイレーツオブカリビア〜ン。
早速甲羅をパカッと剥がしてみると、、蟹味噌がべちゃべちゃ。ほぼ水です。。。
集めると小さじ1杯分程度。貴重な一口をテイスティングします。
少ないながら、味は大満足。コクと旨味と苦味の割合が絶妙です。
とても美味しいのですが、もっと食べたかった。。
腹の肉の部分も少々スカスカ気味。
花咲ガニ、なかなか選ぶのが難しいです。
足の部分は前回よりは可食部が多く、茹で方のせいなのか、味がしっかりついている気がします。
前回よりも塩気があって美味しかったです。
ただ、どうしても量が少ない・・
700円としては満足でしたが、依然として「花咲蟹」は本当はもっと美味しいのではないかという疑念は払拭されず。
これはやはり本場の根室に行って食べるしかありません。
真の「花咲蟹」を食べるため、根室に向かいます。
『花咲蟹』鮮やかで独特な見た目、北海道以外ではあまり見かけない、珍しい蟹です。 人生で初めて食べたのが上野で購入した『花咲蟹』。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://lopi.tokyo/21[…]
本文中で紹介のカニのお値段とレビュー
メニューとお値段 | 花咲蟹 500g程度 3,500円 |
花咲蟹 小さめ1匹 700円 | |
レア度 | |
蟹味噌の味 | |
蟹の身の味 | |
コスパ | |
オススメ度 |